ビジネスフォン(ビジネスホン)の主装置を使用し続ける際に、考えなければならない重要なリスクの一つが故障です。主装置は機械なので、当然のことですが、適切に使用・管理をしていたとしても長く使用すればするほど故障のリスクが高まります。主装置は万が一故障した場合、オフィスの通信機器全体に影響が及んでしまいます。
主装置の使用期間を考えるうえで、一つの目安になるのが法人税法で定められている法定耐用年数です。ビジネスフォンの場合には、6年間という法定耐用年数が定められています。また、ビジネスフォンをリース契約する場合に、5年~7年がリース期間として設定されるケースが多くあります。
この会の記事では、ビジネスフォン主装置の耐用年数について解説します。
▶目次
1、ビジネスフォンの法定耐用年数
ビジネスフォン(ビジネスホン)の耐用年数について解説します。
耐用年数とは
耐用年数とは、減価償却資産が利用に耐える年数のことをいいます。
言い換えれば、繰り返し、あるいは継続的に長く使用する機械や機器が、一般的に継続して利用し続けられる年数ということです。
特に、オフィスの場合には保有している資産の金額に応じて納税額が定められますので、耐用年数の期間内は減価償却分に応じて資産価値が計上されます。
資産の種類や構造、価値によって法定耐用年数が定められ、ビジネスフォンの場合には6年間となっています。
法定耐用年数経過=故障ではない
法定耐用年数を経過すると、直ちに故障リスクが高まるというわけではありません。
実際のところ、同じビジネスフォンの電話機、主装置を10年~20年程度利用し続けられているオフィスは数多くあります。長く利用し続けることで、故障のリスクが高まることは事実ですし、機器がだんだん古くなることで新しい機能が使用できないという面もありますが、ビジネスフォンの買い替えにはかなりのコストがかかりますので、慎重な検討と柔軟な対応が求められます。
リース契約の場合
リース契約の場合には、リース会社の契約内容に応じて5年~7年でリース契約を結びます。
契約期間中は解約ができませんので、万が一故障などのトラブルが生じた際には修理の依頼によって対応を依頼することになります。
会社の倒産など、特殊な事情があった場合でも契約内容によりますが、原則として、リース契約は継続します。
ただし、上述の通り10年以上同じビジネスフォンを継続して使用し続けられることが多く、リース契約の場合でもリース期間満了時にビジネスフォンの機能には何の問題もないケースが少なくありません。
そういった場合には、リース契約満了後の買い取り、あるいは再リース契約を新たに結びます。
再リース契約は、ビジネスフォンのリース金額の約10分の1の価格で1年間のリース契約を結ぶ契約のことです。
2、ビジネスフォンの寿命と中古ビジネスフォン
ビジネスフォンの寿命と中古のビジネスフォンについて解説します。
中古ビジネスフォン
耐用年数は、新品のビジネスフォンに対してのみ適用されますので、中古のビジネスフォンには直接関係がありません。
ただし、中古ビジネスフォンは購入した時点で、一定の仕様年月が経過しているため、故障のリスクについてはより慎重に対応する必要があります。
一般的なビジネスフォンの寿命は10~15年
使い方や保存方法などによるので一概には言えませんが、ビジネスフォンの寿命は10~15年程度になります。
新品であれ、中古品であれ、10年前後が利用年数の一つの目安になります。
ただ、これらの寿命は、各ビジネスフォン子機についてのものであり、主装置はもう少し長く利用できることが多いでしょう。現場で頻繁に使用し、落下させてしまったり、物をぶつけてしまったりするリスクのあるビジネスフォンに対して、主装置はボックス内で管理されており、工事や設定変更の際以外には基本的には触ることが少ないので、故障リスクが少ないのです。
とはいえ、主装置が故障したときのリスクは、ビジネスフォン子機1台が故障したときの比ではありません。オフィスの通信機器が一斉にダウンしてしまい、オフィスの信用を揺るがす大きなトラブルとなりかねません。また、故障で突然ダウンしてしまった場合には、復旧作業にも時間がかかり、対応が後手に回ってしまいます。
そのような事態に陥らないためには、ぎりぎりまで使用するよりも、頃合いを決めて一斉に交換をするのが得策ではないかと思います。
3、まとめ
減価償却資産である新品ビジネスフォン(ビジネスホン)には、6年という法定耐用年数が定められています。
法定耐用年数は、法人税法上で利用し続けられる機関として一律で定められている期間ですが、実際のビジネスフォンの寿命は10~15年程度が目安になります。主装置単体で見た場合には、さらに長持ちする見込みが高いでしょう。
しかしながら、主装置は故障したときのリスクが甚大になってしまいます。最悪のケースでは、オフィスの通信機器が一斉にすべてダウンしてしまい、復旧までに時間を要してしまいます。
主装置やビジネスフォンの設備を一新するにはまとまった費用が必要にはなりますが、10年を目安に主装置を含めてオフィスのビジネスフォン機器を一新することをおすすめします。