企業が成長し、事務所の規模が大きくなると、それに伴ってビジネスホン(ビジネスフォン)の必要台数も増加します。

最も基本的なビジネスホンの増設は、電話機を追加購入し主装置との配線、設定を行う、という流れになります。しかし、主装置の内線ユニットに空きポートがない場合にはユニットを追加しなければなりません。また主装置に空きスロットがない場合には主装置をバージョンアップさせなければ増設をすることができません。

今回の記事では、主装置のユニット追加、あるいはバージョンアップの必要性を伴うビジネスフォンの増設に関して解説します。

▶目次

1、ユニットを追加する場合

ビジネスフォン増設 主装置へのユニット追加・バージョンアップ
ビジネスフォン主装置のユニットに空きスロットがない場合には、ユニットを追加して設定しなければなりません。

主装置のユニットとは

ビジネスホン(ビジネスフォン)の主装置の中には、局線(外線)ユニットと内線スロットがあります。
局線ユニットは、オフィスと外線を接続するための基盤で、内線スロットは主装置と各ビジネスフォン子機を接続するための基盤です。

ユニットの追加の場合には、追加する箇所だけの工事で済みますので、工事費用や作業時間も比較的大きな負担にはならずに済みます。

内線スロットの追加

ビジネスフォン子機を追加する際には、他のビジネスフォン子機と同様に内線ユニットの空きポートから新設のビジネスホン子機に配線し、内線グループや番号の設定を行います。

しかし、ユニットの種類応じて「接続できる電話番号」「チャンネルの数」が定められていますので、ユニットに空きがない場合には新たなユニットを内線スロットの中に差し込まなければなりません。

局線ユニットの追加

例えば、新しい部署の設立などの理由から新しい電話番号を発行してグループを組む場合には、局線ユニットと外線を新たに接続しなければなりません。

局線ユニットには、アナログ回線、ISDN回線、ひかり回線を収容でき、ユニットによって収容可能な接続数が決まっています。

必要な電話番号やチャンネル数が不足している場合、別の種別の電話回線を収容する場合には空きスロットに新たなスロットを接続します。

2、主装置バージョンアップの場合

ビジネスフォン増設 主装置へのユニット追加・バージョンアップ
ビジネスフォン主装置のスロットにも空きがない場合には、より多くのスロットを収容できる主装置へバージョンアップしなければなりません。この場合の工事は非常に大掛かりなものになります。

主装置のバージョンアップとは

局線スロット、内線スロットともに、主装置ごとに収容できるスロットの上限数は決まっています。
もし、必要な外線や内線を設定するために必要なスロットが主装置に不足している場合には、より多くのスロットを挿入できるサイズの大きな主装置へのバージョンアップ(買い替え)が必要になります。

バージョンアップの工事内容

主装置のバージョンアップは、ユニットの追加と比較すると、費用面でも工事内容面でも負担の大きさが全く異なります。

主装置をバージョンアップするためには、不足分だけを追加で設置するというわけにはいきません。既存のビジネスホン子機の配線をすべて外し、主装置を取り外したうえで、新しい主装置を設置し、ビジネスフォン機器と配線し、新たに主装置のデータ設定を行わなければなりません。

工事作業中は、外線・内線ともに不通になってしまうので、営業時間内に工事をする場合には業務への負担も生じます。こうした負担を発生させないために重要なことは、ある程度中期的・長期的な視野に立って、当初の契約時に主装置の空き容量に余裕を持たせておくことです。

クラウドPBXを契約する

さらなる将来的な拡張性を踏まえて、主装置のバージョンアップを行う代わりに、IP対応のビジネスフォンに切り替えてクラウドPBXを利用するという手段もあります。

クラウドPBXは高速インターネット設備が不可欠ですが、主装置を社内に置かないタイプの近年非常に人気のあるビジネスホンです。それぞれ個々のサービス内容によりますが、非常に拡張性が高いので、急激な事業の伸びにも対応しやすいメリットがあります。

3、まとめ

この記事では、主装置のユニット追加、あるいはバージョンアップの必要性を伴うビジネスフォン(ビジネスホン)の増設に関して案内しました。

ビジネスホンを増設する場合に、主装置のユニットに空きがあればそのまま新たなビジネスフォン子機と配線・データ設定を行うだけで増設が可能です。しかし、ユニットが不足している場合にはユニットの追加を、主装置のキャパが不足している場合には主装置のバージョンアップが必要です。特に、主装置のバージョンアップはコスト面での負担も業務への影響も非常に大きいので、できるだけ避けたいものです。

オフィスで事業が急成長した場合にはやむを得ないケースもありますが、当初の主装置設置時に中・長期的な視野に立って考えることが重要です。