ビジネスフォン(ビジネスホン)を導入する際に、費用の大部分を占めるのが主装置です。したがって、コスト削減のための手段として主装置なしでビジネスフォンを導入することができれば、非常に大きな効果があります。

主装置にビジネスフォンとしての機能が詰まっているので、実際には主装置の機能は必須です。ただし、主装置のボックスを購入せずにビジネスフォンを導入する、という意味でなら、主装置なしで導入する方法が2つあります。

今回の記事では主装置なしでビジネスフォンを導入する方法について解説します。

▶目次

1、主装置内蔵型ビジネスフォン

徹底解説!主装置なしでビジネスフォンを導入するには?
一部のビジネスフォン機種には、主装置内蔵型の機種があります。個人事業主や店舗など小規模のオフィス向けの機器ではありますが、主装置を導入して配線を行う必要がないので機器代金や工事代金、工事の際の負担を大きく軽減できます。

主装置内蔵型ビジネスフォンとは

主装置内蔵型ビジネスフォンとは、他のビジネスフォンのように別途主装置を設置する必要のないタイプのビジネスフォンのことです。ビジネスフォン機器の内部に、アナログ回線もしくはISDN回線対応の主装置機能を備えており、電話回線を直接ビジネスフォンに配線して使用します。

ひかり電話を使用したい場合には、ひかり電話ルーターからビジネスフォンのアナログケーブル端子に配線して使用します。

上述のコスト削減メリットの他に、省スペース、設定・配線工事が簡単、というメリットがあります。
機能面では、2回線同時着信機能や、着信拒否機能などビジネスフォンとしての基本的な機能を使用できます。

主装置内蔵型ビジネスフォンの接続台数

主装置内蔵型ビジネスフォンは、小規模の店舗や個人事務所などを対象に制作されています。

したがって、接続台数は1~4台(アナログ回線の場合には1台につき2回線、ISDN回線の場合には1台につき1回線・2チャンネル)です。

主装置内蔵型は機能にも制限あり

主装置内蔵タイプの電話機は、主装置設置型のビジネスフォンと比べて機能に制限が生じる場合があります。

例えば、転送機能や、携帯電話との連携機能、IP電話対応機能など、同じ機種でも主装置設置型と内蔵型で機能が異なることが多いので導入前にカタログなどで機能の違いを見比べておきましょう。

2、クラウドPBX

徹底解説!主装置なしでビジネスフォンを導入するには?
インターネット接続が可能なビジネスフォンの場合には、クラウド型PBXを利用する方法もあります。
主装置内蔵型ビジネスフォンと異なり、拡張性も十分です。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、主装置をオフィスに設置せずに、インターネット上のクラウドPBXを利用するタイプのビジネスフォンです。

ビジネスフォン機器をインターネット回線で接続し、クラウドPBXサービスのライセンス契約を結ぶことにより利用できます。主装置を購入する必要がないので、導入時の費用を大きく軽減できますが、利用期間中はクラウドPBXの使用料の負担が生じます。

オフィス内の高速インターネット環境と、クラウドPBXに対応したビジネスフォン機器の導入が必要条件となります。

クラウドPBXのメリット・デメリット

クラウドPBXにはさまざまなメリットがあります。

  • PBXの購入費用が掛からないこと
  • 拡張性に優れ、デスクのレイアウト変更やビジネスフォン機器の追加などの対応が容易であること
  • 豊富なオプションから必要な機能を選べること

従来型のビジネスフォンの場合には、オプションを追加するためにはユニットを購入して主装置に設置工事が必要になりましたし、どういった機能が追加で取り付けられるのかについてユーザー側で正確に把握することも難しかったのですが、クラウドPBXの場合にはメニューとして一覧で表示されますので、必要な機能が追加しやすいといえるでしょう。

接続台数については、サービス提供会社の規約によりますが、拡張性が多いのでほとんどのオフィスでは必要十分な回線数が確保されているといってよいでしょう。

また、デメリットは以下の通りです。

  • インターネット環境が必須
  • インターネットの電波状況によっては通信が安定しない
  • クラウドPBXの利用料やオプション代金で毎月コストがかかる

小規模の事業者から大規模オフィスまで、さまざまな規模・業態で導入のメリットがありますので、デメリットを比較しながら検討されると良いでしょう。

3、まとめ

この記事では、オフィスのビジネスホン(ビジネスフォン)を主装置なしで導入する方法について解説しました。

主装置は、ビジネスフォンの機能の部分なので、絶対に必要です。しかし、主装置の機器なしでのビジネスフォン導入ということであれば、主装置内蔵型ビジネスフォンもしくはクラウドPBXビジネスフォンによって実現できます。

主装置内蔵型ビジネスフォンの場合には主に小規模の個人事業主や店舗向けの機種であり、同じ機種の主装置設置型のものと比べて機能が制限されている代わりに省スペース性とコストパフォーマンスに優れています。

PBXクラウドフォンは、インターネット上のクラウドPBXをレンタル利用するイメージなので、流動性、拡張性があり、オプションを必要に応じて選択できるメリットがあります。